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転職を考えているけど、転職先をどうやって絞っていけばいいかわからない
会計士が転職を考えた時にこのような悩みを持つのは当然です。なぜなら会計士は色々なフィールドで活躍できるポテンシャルを持っているからです。
監査法人を辞めた同僚や先輩を数人思い浮かべてみてください。コンサルや事業会社、税理士事務所など、色々なところに転職しているのではないでしょうか?
このページでは、
- 転職したいけどどんな会社に行けばいいかわからない
- そもそもどんな選択肢があるか知りたい
- 転職先の選び方がわからない
という人のために「監査を経験した会計士ができる次のステップ」と「転職先の絞り方」をお伝えしていきます。転職活動をする際にはこの2つの軸で考えていくと良いでしょう。
会計士の転職先の選び方1:やりたいことで選ぶ
会計士として働く中で「やりたいこと」は何となく見えてきているのではないでしょうか。
「監査面白くないなぁ。もっとクライアント目線で仕事ができるコンサルやってみようかな。」とか「色々な会社にアサインされてその都度違う人と働くのが向いてない。一つの会社で腰を据えて働きたい」などなど。
会計士としての知識や経験を生かして働ける職業は非常に多いです。ここから一気に14個紹介していきますから、次の職場選びの参考にしてみて下さい。
大企業(事業会社)経理(IFRS含む)
まずは事業会社の経理です。会計士として監査する立場から監査される立場になるということですね。
監査時代は既に作られた数値が合っているか検証することが主な仕事ですが、経理になればどのように数値を作るか、そのためにはどんな情報が必要かを判断して、関係者を巻き込みながら仕事を進めていくところに面白みがあります。
大企業であれば社会的インパクトの大きいM&Aなどを経験することもできます。
おすすめの人
一つのビジネスを深く理解した上で腰を据えてじっくり働きたいという人
監査役
監査役は、監査法人の経験がダイレクトに活かせる仕事で、その会社のビジネスを理解しながら適切な業務が行われるよう業務改善をしていくことが求められます。
監査法人とのコミュニケーションも頻繁に行われますので、監査知識を活かしながら一つの会社に貢献できるところが魅力です。ただいきなり大企業の監査役になることはできないので、監査法人から転職するなら中小規模の会社に限られます。
おすすめの人
監査は嫌いじゃないが、一つの会社のために働きたいという人
経営企画
数値に対する強さや様々な会社の社長ヒアリング経験を活かして、予実算管理や戦略策定などの仕事をする経営企画に転職する道もあります。
経営企画では経営陣に対して数値を根拠とした有益な情報提供を行うことになりますので、監査とは一味違った経験が積めることでしょう。
おすすめの人
会計士の強みを活かして、新たな分野に挑戦したい人
IR
投資家に有用な情報を提供することが求められるIRも会計士から転職できる職種です。
IRだと海外投資家とのやりとりもあるので、英語を使いながら当社の魅力や戦略を伝えるということが「面白そう」と感じるのであればチャレンジしてみると良いでしょう。
おすすめの人
開示が得意だった人、英語を使った仕事がしたい人
フォレンジック
フォレンジックとは不正の調査や分析、不正防止の対策を行う専門分野のことを言います。メジャーではないですが、会計士としてさらなる専門性を追求できる業務です。
フォレンジックがやりたいという場合には、KPMG FASなどのコンサルティングファームや監査法人内のアドバイザリーサービス部門へ転職することが一般的です。
おすすめの人
不正に興味がある人、会計士として差別化を図りたい人
内部統制監査部門
内部統制を評価する部門に転職して、内部統制の評価やプロセスの改善を行うのも一つの道です。
監査の一環で内部統制監査を行っているので、非常に業務内容もイメージしやすいですし、会計士として監査を行うより一歩踏み込んだ業務改善提案もできます。
おすすめの人
業務プロセス改善に興味がある人
CFO
会計士が目指すところとして挙げられることが多いのがCFO。大企業に入って経験を積みながらCFOを目指すという道もありますが、ベンチャー企業など、いきなりCFOとして迎え入れてくれるところもあります。
当然監査より業務内容も広く、責任も重いので苦労することが多いですが、自分自身の成長スピードを早めたい!という人はチャレンジしてみる価値はあります。
おすすめの人
会社の経営に参加することに興味がある人、トップに立ち自身を成長させたい人
ベンチャーでIPO
ベンチャーでIPOを経験することも会計士としての自身の価値を上げることにつながります。
IPOを数社経験し、IPO請負人として活躍するのも良し、IPO先でそのまま経営に参加し会社をガンガン成長させるのも良しです。ストックオプションで一攫千金という夢もありますね。その分IPO直前は激務になりますが。。。
おすすめの人
仕事や仕組みを創っていくことを楽しいと思える人、一攫千金を夢見る人
FASでデューデリ・バリュエーションなどのM&A業務
コンサルに興味がある人はFASでデューデリやバリュエーションなどのM&A業務に携わるのが良いでしょう。
デューデリは会計監査と同じような仕事ですから取り組みやすいですし、会計士試験で勉強したことを活かせる仕事です。
会社を売買することは多くの関係者と協力しながら進めていく必要がありますし、社会的影響もあるので、大きな仕事をしたいという人にぴったりです。
おすすめの人
M&Aに興味がある人、大きな仕事をしたい人
金融機関
財務諸表を見る力を活かせるのが金融機関です。金融機関の審査部では財務諸表に基づいて融資額の査定を行ったり、貸せる貸せないの判断をすることになります。
会計士を採用したいというニーズも高く、意外と監査法人から転職する人も少なくありません。
金融監査をしていた方が有利ですが、融資先の会社管理など、必ずしも金融機関の知識が必要というわけではないので、事業会社の監査経験がない人も候補に入れてOKです。
おすすめの人
財務諸表を見て、分析するのが好きな人
投資ファンド・PEファンド
高い成長性を持つ会社に投資を行い、その経営に参画して成長したらExitするという投資ファンドやPEファンドも会計士の転職先となります。
財務や経理という知識だけでなく、経営や色々な関係者とのコミュニケーションを取ることが求められますので、会計士というよりは、経営のプロとしてのキャリアと行った方が近いかもしれません。
投資ファンドやPEファンドは少数精鋭で、戦略コンサルや大手企業の経営企画出身者からも人気なので、転職のハードルは高くなります。
おすすめの人
企業経営に興味がある人
コンサル会社
コンサル会社と一口に言っても、会計コンサル、内部統制コンサル、税務コンサル、M&Aコンサルなど色々な分野がありますので、今までの経験からどんなコンサルがしたいのか明確にしましょう。
幅広くコンサルがやりたいという人は監査法人系のコンサルよりは独立系のコンサルに行った方が良いです。
おすすめの人
人や会社の悩みを解決して感謝される仕事がしたい人
商社
会計のプロを採用したいというニーズが高いのが商社です。商社は事業部ごとに経理が別れていることが多く、それだけ経理人員を確保する必要があります。
営業部と一緒に商談の場に行くこともあるなど、一般的な経理の枠にとらわれない仕事ができます、給料が高い、海外勤務の可能性が高いということは言うまでもありません。
おすすめの人
過去の営業活動の結果を集計するのではなく、将来の数値に影響を与えるような仕事がしたい人
税理士法人で税務
将来独立を考えている人、会計知識だけなく税務のエキスパートにもなりたいと考えている人は税理士法人で税務実務をやるというのがオススメです。
会計士も多いので、違和感なく入れますし、関連するけど全く別の分野の勉強ができるので、新しいことを勉強するのが好きな人にはもってこいです。
おすすめの人
将来独立を考えている人、仕事の幅を広げたい人
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公務員
レアな転職先として、公務員という道もあります。
国税専門官や財務捜査官など会計知識を活かして国のために働く職種を募集していることがあります。
おすすめの人
公務員として安定した生活が送りたい人
会計士の転職先の選び方2:譲れない条件で選ぶ
転職先を選ぶもう一つの軸が、転職で達成したいこと、つまり譲れない条件で選んでいくことです。
「転職して給与が下がってもしょうがないけど、この金額はキープしたい」「仕事だけでなく、プライベートな時間も大切にできる働き方が良い」など、それぞれ転職に求めるものは違ってくるでしょう。
給料・年収が良い
給与や年収は正直、監査法人は結構高いです。なので、現状維持もしくは年収アップを狙うのであれば、転職先の企業は絞られてくることになります。
転職したばかりは下がっても、徐々に上がっていき、トータルで見れば給与がたくさんもらえる職場はありますので、転職エージェントとの面談の場で生涯年収も聞くと良いでしょう。
福利厚生が良い
監査法人の福利厚生は「ほぼない」と言っても良いくらいです。ただコンサル会社や税理士法人では福利厚生が整っていないことが多いです。
なので、家賃補助や休暇制度などの福利厚生を重視したい場合には、ある程度の規模がある事業会社になるかもしれません。
残業なし(ワークライフバランスが良い)
残業の多い少ない=ワークライフバランスが良いか否かは会社によって全然異なります。
一方で求人票を見ても読み取れないことが多いので、転職エージェントとの面談の中でしっかり確認するようにしましょう。
地方で働きたい・働きたくない
メーカーなどで地方に工場や拠点がある場合には、地方への転勤がある場合があります。
地方への転勤が良いのか悪いのかは人による部分が大きいので、自分の希望をしっかりと持った上で、判断していくことが必要です。
英語を使った仕事がしたい
英語を使った仕事ができるできないも会社によりけりです。
どうしても英語を使った仕事をしたければ、その条件を満たす会社を重点的に探していく必要があります。
やりたいこと、譲れない条件を絞って転職エージェントに相談
やりたいこと×譲れない条件=最高の転職先
会計士の転職を成功させる鍵は、これ以上でもこれ以下でもありません。至ってシンプルですね。
なので、最高の転職先を選ぶステップは次のようになります。
step
1やりたいことを2つ〜3つ決める
自分の本能の赴くままに、上記で紹介した中からやりたい仕事を決めましょう。
一つに絞るのも良いのですが、絞り過ぎてしまうと候補となる会社が少なくなってしまうので、2つ〜3つほど選択肢を確保して、優先順位を決めておくのが良いでしょう。
step
2譲れない条件を決める
次に転職で達成したいことを条件面から考えてみましょう。
- 給与を重視したい
- ワークライフバランスを重視したい
- 将来のキャリアプランから逆算した経験を積めるとことが良い
- 英語を使った仕事がしたい
など、何でも良いので転職先をフィルタリングしていく基準を持っておくことが大切です。
step
3転職エージェントに相談して案件を紹介してもらう
やりたいことと転職で譲れない条件を考えたら、転職エージェントに相談して条件に合う案件を紹介してもらいましょう。
転職サイトでもなく、スカウトサービスでもなく転職エージェントを利用するところがポイントです。
転職エージェントは会計士向けの非公開案件を多数保有しているだけでなく、自分が合格する可能性のある条件にあった案件だけを紹介してくれるので、無駄な労力を使う必要がありません。
まとめ
会計士の転職先は非常にたくさんあります。同僚や先輩を見ても転職先は様々でしょう。たくさんあるがゆえに迷ってしまう、他の人に流されてしまう人が多いのも事実です。
もしあなたが転職先選びに悩んでいるのであれば、このページで紹介した選び方を試してみてください。
- やりたいことを2つ〜3つ決める
- 譲れない条件を決める
- 転職エージェントに相談して案件を紹介してもらう
会計士は数値に強いという武器を持つ専門性の高いプロフェッショナルです。
さらにそのプロフェッショナル性を尖らしていくのか、はたまた違う専門性を身につけ2つの太い柱を作っていくのか、どちらの道もできる贅沢な環境にいるとも言えます。
ぜひ一度将来のキャリアプランを腰を据えて考え、転職エージェントとの面談の中でそれを確固たるものにしていって下さいね!
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