- 経理の仕事内容を分野に分けて解説!
- 会社の規模によって変わる経理の仕事をわかりやすく解説!
- 大会社・中小・外資系経理のメリット・デメリットを紹介!
経理ってどんな仕事をしているの?イマイチ何やるのかわからないんだよね…
これは経理に興味がある人は気になることではないでしょうか。
- 伝票入力?
- 交通費や交際費の精算?
- よくわからないけど数値を突き合わせてる?
経理と一口に言っても様々な業務があります。伝票入力や経費精算という業務ももちろんありますが、それはほんの一部。
経理はもっと広いお仕事で、色々とやってるんです。でも内部向けの仕事がほとんどなので、それが見えてこない。なので全体像が見えないとか、何やってるかようわからん!という感想になるわけです。
この記事では、一般的な経理の仕事を具体的に解説していきます。最後まで読めば経理のイメージがより明確になりますよ。
Contents
経理の全体像|経理ってこんな仕事
経理の仕事を一言で表すと「会社の家計簿をつける仕事」と言えばわかりやすいかもしれません。
そしてつけた帳簿を関連する人に見せる。簡単に言えばやってることはこれだけです。
- 会社の取引を数値で記録してまとめる
- まとめた数値を経営者や株主などに開示する
全体像1|会社の活動を数字として積み上げてまとめる
- 在庫を取引先から仕入れた
- 商品をお客さんに売った
- 社員が出張して交通費や交際費を使った
- お金を銀行から借り入れた
会社は毎日このような取引をたくさん行っています。そしてこの活動には収益や費用、お金の動きが必ず発生しています。
それを数値を通して記録していき、日々積み上げて業績をまとめていくのが経理の仕事です。
そしてそれをまとめると「会社の姿」が数値で表現できる。
全体像2|まとめた数値を経営者や株主などに開示する
会社の活動を数値としてまとめあげ、それを関連する人に開示するまでが経理のお仕事。
まとめられた数値を見る人は、それぞれ目的が違います。
- 経営者
→これからの会社の方針を決める大きな材料にする - 投資家
→出資した会社がしっかりと経営をしているかの判断材料にする - 銀行
→融資したお金がちゃんと返ってくるかを監視する材料にする
いずれも会社にとって重要な人に対して数値を開示するので、誤りがない数値を提供する必要があります。
経理がまとめた数値を判断材料として、たくさんのお金が動く意思決定がされるので、その責任の大きさは理解できるでしょう。
経理の仕事一覧|財務会計、管理会計、税務会計の3種類
どの会社でもそうですが、経理はどうしても地味な仕事が多いです。でもその役割は重大。例えば打ち込む数値の桁数を間違えてしまったら大ごとです。
地味だけど重要な役割を担うのが経理で、ギターやドラムではなくベースといったところでしょうか。
ここからは、経理の具体的な業務を紹介していきたいと思います。経理のお仕事は大きく3つに分けることができます。
- 財務会計
- 管理会計
- 税務会計
このうち財務会計と管理会計を合わせて「制度会計」と呼んだりします。
それぞれについての簡単な説明と具体的な業務を解説します。
経理の業務一覧1|財務会計
「財務会計」とは、会社の外部の関係する人(株主や銀行など)に対して決算数値などの会計情報を開示するものを言います。
これは会社法や金融商品取引法、会計基準といった決められたルールに基づいて行います。
日々の取引を積み上げていって以下の財務3表を作成することがゴールです。
- 貸借対照表
- 損益計算書
- キャッシュ・フロー計算書
財務会計には以下のような仕事があります。業務は多岐にわたり、経理の中でも幅が広いです。
- 現金管理
・現預金の管理
・経費の精算
・伝票入力 - 営業取引管理
・売掛金管理
・請求書発行
・買掛金管理 - 決算開示業務
・連結決算
・四半期決算
・年度末決算
・決算短信・有価証券報告書作成
・会計士対応 - 経理業務の効率化
・会計システムの導入
・業務フロー見直し - 関係会社の管理
- 新会計基準対応
経理の業務一覧2|管理会計
「管理会計」とは、経営者に対して会計情報を伝えるために実施するもの。経営者がこれからの戦略を考えるような時に必要となる数値をまとめるのが管理会計の意義です。
管理会計は何かルールに基づいて行うものではありません。自由度が高い反面、経営者が必要な情報を適時に伝えるのがポイントとなります。
管理会計の具体的な仕事は以下となります。
- 原価計算
- 原価管理
- 予実算管理・分析
- 中長期事業計画策定
- 月次決算
- その他経営者が必要とする情報の提供
どちらかといえば財務会計は過去の数値を取り扱うのに対して、管理会計は今の姿を分析して将来の数値に影響を与える仕事です。
経理の業務一覧3|税務会計
税務会計とは税法の規定に基づいて納める税金の金額を計算するものです。
税金計算の方法はかなり複雑となっており、また毎年改正されるので専門知識が要求されるところです。
税務会計の仕事は以下の通り。
- 法人税の計算と申告書の作成
- 消費税の計算と申告書の作成
- 固定資産税の計算と申告書の作成
- 法人住民税の計算と申告書の作成
- 国税庁による税務対応
- 移転価格税制などの国際税務
税務は難しい。しかも申告をミスると追徴課税が課されるなど影響が大きい。そのため大企業では税務専門の部署が用意されていることが多いです。
日次・月次・年次での経理業務
続いて、代表的な経理業務の流れを1日単位、1月単位、1年単位でざっと紹介します。
先ほどもお伝えしたように経理といっても幅広いので、ここでは財務会計を例にとって説明します。
経理業務の流れ1|日次でやること
経理の日次業務としては、売上や仕入伝票の起票や経費精算、現金の出納といったものがあります。
一般的に「経理業務」としてイメージしやすいのは日次業務ですね。
また、その他には営業部や子会社からの問い合わせ対応をしたり、プロジェクトを進めたりと日々何かとやることがあります。
- 売上・仕入伝票の起票と根拠資料の整理
- 従業員の立替金経費の精算
- 現金の出納業務
- 会計システムへの入力(帳簿記帳)
- 営業部や子会社からの問い合わせ対応
- プロジェクトを進める
経理業務の流れ2|月次でやること
月次の業務として大きいのが月次決算。1ヶ月ごとの業績を取りまとめて経営者に報告をするお仕事です。
もし月次予算を作成しているのであれば、予算と実績の差異を分析をして、良かった点、悪かった点をまとめて報告します。
そのほかにも、給与の支払いや売掛金の回収チェック、仕入先への支払い業務など一定の締め日が設けられている仕事を処理していきます。
いずれも会社の信用に関わることなので重要なお仕事です。
- 月次決算
- 予実差異分析
- 給与の支払い
- 売掛金の回収チェック
- 仕入先への支払い
経理業務の流れ3|年次でやること
経理をしていく中で、一番大切となるのが年次決算です。
会社の規模に関わらず必ずやらないといけないのが決算の取りまとめ。1年間の業績を数値として取りまとめていきます。
規模が大きい会社になると、連結決算と言ってグループ会社を含めた一つの決算書を作成することも求められます。
数値の取りまとめが終わった後も、税務申告や会計監査対応、決算短信や有価証券報告書といった開示書類の作成、株主総会の準備などやることいっぱい。
- 年度末決算による業績の把握
- 税務申告書の作成
- 会計監査対応
- 開示書類の作成
- 株主総会の準備
- 来期予算の策定
会社の規模・種類による経理業務の違い
経理の仕事は会社の規模や種類によってその中身、特にどこまで経理がやるかというところが違ってきます。
大きく分けると以下の3つに分けられます。
- 大企業の経理
- 中小企業の経理
- 外資系企業の経理
規模・種類別1|大企業経理の特徴
大企業の経理は売上や仕入などの営業取引の数が多いですし、グローバルでビジネスを行なっていることも多く関係会社の数も多いです。
そのため、細かく担当が分かれていることが特徴です。
- 単体決算担当チーム
- 連結決算担当チーム
- 税務担当チーム
- 管理会計担当チーム
- 財務担当担当チーム
- 開示担当チーム
このように役割別に明確に分かれており、またチームの中でも売掛金管理担当、連結の範囲担当といったように分業がしっかりしています。
大企業の経理として働くメリット・デメリットは以下の通り。
- 日々色々な取引が発生するので飽きない
- 担当分野の会計処理はめちゃくちゃ詳しくなる
- 上司に教えてもらいながら成長できる
- 一般的に高待遇
- 分野が限定されてしまうので経理業務の全体像が掴みにくい
- 担当以外の分野の専門知識は身につきにくい
規模・種類別2|中小企業経理の特徴
まず知っておいて欲しいのは、中小企業は管理部門が弱いことが多いということ。中小企業はニッチマーケットで安定的に稼いでいるか、もしくは事業拡大中なのです。
そのため管理部門にあまり人員を割けず、中小企業の経理部は「何でも屋」になりがちです。
- 経理
- 総務
- 法務
- 財務
- 人事
- IT・システム
このような業務を一人でこなさないといけないという会社も数多くあります。
中小企業の経理として働くメリット・デメリットは以下の通り。
- 経理の業務全体をいち早く経験できる
- 経理以外の知識も身につけられる
- 出世が早い
- 前例が少ないので仕事の進め方の自由度が高い
- 業務フローが整備されていないことが多い
- 管理部門が軽視されていることもある
- 残業が多くライフワークバランスが崩れる
規模・種類別3|外資系企業経理の特徴
外資系企業は本社が外国、支社が日本にあるというパターンです。外資系経理の仕事としては主に2つあります。
- 日本国内の税金計算用の決算を行う
- 親会社に決算報告を行う
日本国内で経済活動をしている以上、日本で税金を納める必要があります。日本の税法の規定に則った決算を行うのが一つ目の仕事。
もう一つの仕事は日本国内用に作成された決算情報を親会社の適用する会計基準に直して報告するコンバージョン業務です。
親会社の適用する会計基準は米国会計基準だったり国際財務報告基準だったりするので、その会計基準に合った財務諸表を別途報告します。
外資系企業の経理として働くメリット・デメリットは以下の通り。
- 英語力を活かせる
- 平均給与が高いことが多い
- 人間関係がドライでサービス残業もない
- 成果を出せば評価される
- 親会社へのレポーティング業務なのでやることがシンプル
- 親会社がいきなり日本から撤退して首を切られることがある
- 独特の文化がある場合馴染めないことも
- 出世のキャリアパスがないこともある
経理の仕事内容まとめ
- 経理の全体像
・会社の活動を数字として積み上げてまとめる
まとめた数値を経営者や株主などに開示する - 経理は財務会計、管理会計、税務会計の3種類
・財務会計:投資家に決算情報を開示
・管理会計:経営者の意思決定に有用な情報を開示
・税務会計:税金計算を行う - 日次・月次・年次での経理業務
・日次:日々の取引伝票の起票、出納管理
・月次:月次決算、締め日の業務
・年次:年次決算、開示書類作成 - 会社の規模・種類による経理業務の違い
・大企業:一部を深く狭く+高待遇
・中小企業:経理全体を早く経験可能
・外資系企業:英語を使って親会社にレポート
この記事では経理業務って何なの?という話をしてきました。
冒頭でもお伝えした通り、会社によって同じ経理といえど実施する業務は異なります。
そのため、未経験から経理をやろうと思っている人、経理に転職しようと思っている人はどんな業務をやることになるのか、事前に確認しておくことが大切です。
ただ「会社の家計簿をつける」という本質的な役割はどの会社であっても変わりません。注目を浴びるよりは裏方でサポートするのが好き、という人には楽しめるのが経理です。
<分野別の仕事の違い>
- 財務会計
会社外部の関係する人に対して決算数値などの会計情報を開示するもの - 管理会計
経営者がこれからの戦略を考えるような時に必要となる数値をまとめるもの - 税務会計
税法の規定に基づいて納める税金の金額を計算するもの
<会社の種類によるメリット・デメリット>
- メリット1|色々な取引が発生するので飽きない
- メリット2|担当分野の会計処理に詳しくなる
- メリット3|教えてもらいながら成長できる
- メリット4|一般的に高待遇
- デメリット1|分野が限定されてしまう
- デメリット2|担当外の専門知識は身につきにくい
- メリット1|経理の業務全体を早く経験できる
- メリット2|経理以外の知識も身につけられる
- メリット3|出世が早い
- メリット4|仕事の進め方の自由度が高い
- デメリット1|業務フローが整備されていない
- デメリット2|管理部門が軽視されることも
- デメリット3|残業が多い
- メリット1|英語力を活かせる
- メリット2|平均給与が高いことが多い
- メリット3|人間関係がドライ
- メリット4|成果を出せば評価される
- メリット5|やることがシンプル
- デメリット1|雇用が不安定
- デメリット2|馴染めないことも
- デメリット3|出世のキャリアパスが不明確
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