「なんだかやる気が出ない」
「やらなきゃいけないのにモチベーションが上がらない」
このようなお悩みをお持ちの方は多いと思います。勉強しなきゃいけないのに机に向かえない、プレゼン資料を作らなきゃいけないのにYoutubeばかり見てしまう…。
こんな時はドーパミンが足りてない状態と考えられます。ドーパミンはやる気や記憶力等に影響する脳内物質であり、ドーパミンが分泌されるとモチベーションが上がります。
やる気がある時というのはドーパミンが大量に分泌されている状態を言います。そして、ドーパミンはサプリや薬を使うことなく増やすことができるものなのです。
この記事ではドーパミンを自然に増やす方法について紹介していきますので、やる気が出ないとお悩みの方はぜひお読みいただければと思います!
Contents
1、ドーパミンとは?
人間の脳には約86億ものニューロンがあり、ニューロン間は神経伝達物質と呼ばれるものを通じてコミュニケーションを取っています。
ドーパミンはモチベーションや快楽欲求に関係し、長い時間をかけて研究されている神経伝達物質です。
人間が目標や計画を立てたり、言語を使ったりできるのもこのドーパミンのおかげ。我々が健康的な人生を送る上で必要不可欠な脳内物質と言えます。
2、ドーパミンの役割2つ。動機付けや喜びを呼び起こす
ドーパミンの役割としては大きく以下の2つが挙げられます。
ドーパミンの役割1|動機や意欲をかきたてる
ドーパミンはあなたのモチベーションに関連する物質で意欲や集中力を高めます。事前に目標を立てて、困難に打ち克ちながらゴールを達成するのを助けてくれます。
そして仕事やスポーツなど人生の様々な場面で「頑張ろう」という意欲を出させてくれるのです。
ドーパミンはモチベーションに非常に重要で、ドーパミン不足の実験用マウスは食べることさえやめてしまいます。ドーパミンが不足しているマウスは食べることより飢えを選ぶということです[A Molecule of Motivation, Dopamine Excels at Its Task]。
ドーパミンの役割2|快楽・喜びを感じる
ドーパミンは快楽や喜びといった感情を与える物質です。
- 楽しさ
- 幸福感
- 陶酔感
といった感情がドーパミンが分泌されることで出ます。ドーパミンが少なすぎると、集中力がなくなったり、やる気が出なかったり、落ち込んだりすることがあります。
3、ドーパミンが不足した場合に起こること。活力が無くなる
ドーパミンが不足すると人生に対する熱意がなくなります。
エネルギーやモチベーションが低くなり、カフェイン、砂糖やその他の刺激物を頼りにして1日を過ごします。
- 無関心
- ドラッグや自傷行為など自己破壊的な行動
- 倦怠感
- 絶望
- タスクを完了できない
- 集中できない
- コミュニケーションがうまく取れない
- 喜びを感じることができない
- やる気が出ない
- 性欲低下
- 記憶力低下
- 気分のむら
- 注意力が散漫になる
- 睡眠障害
ドーパミンが欠乏すると、うつ病、注意欠陥障害、双極性障害といったあらゆる種類の精神障害として表れます。
4、ドーパミンが不足する原因5つ
ドーパミンが不足する原因としては以下のものが挙げられます。
- タンパク質不足
- 健康状態が良くない
- ドーパミンの分泌過剰
- 長期的なストレス
- スマホなどの電磁波
原因1|タンパク質不足
普段の食事の中で、タンパク質を十分に摂取していないと、ドーパミンの元となるチロシンというアミノ酸が不足します。
- ビタミンB群
- 亜鉛
- 鉄分
上記はチロシンをドーパミンに変える物質ですので、これらの物質が足りなくてもドーパミン不足となってしまいます。
原因2|健康状態が良くない
以下のような疾患を持っていると、ドーパミンが不足する原因となります。
- 双極性障害
- 慢性的な炎症
- うつ病
- ホルモンの不均衡
- 肥満
- パーキンソン病
- 統合失調症
- 薬物乱用
- 甲状腺障害
ニワトリが先かタマゴが先かという問題はあるのですが、上記のような健康状態だとドーパミンの分泌は鈍くなります。
原因3|ドーパミンの分泌過剰
以下の中毒性のある物質や行動はドーパミンをドバドバ発生させ興奮させる効果があります。
- カフェイン
- 砂糖
- 買い物
- ゲーム
- スマホ
- ギャンブル
- スリルを求める行動
しかしドーパミンの受容体は比較的壊れやすく、ドーパミンが出すぎてしまうと受容体がダメージを受けたり機能しなくなったりしてしまいます。
これを守るためにダウンレギュレーションと呼ばれるプロセスが始まり、脳はドーパミンの分泌を抑えようとします。
原因4|長期的なストレス
ストレスがかかる状況にずっと置かれていると、ドーパミンの分泌量が低下することがあります[The effects of psychosocial stress on dopaminergic function and the acute stress response]。
幼少期に虐待された経験があったりすると、大人になってもドーパミンの分泌量が少ないままということもあります。
原因5|スマホなどの電磁波
あなたがまさに今使っているスマホもドーパミン不足の原因の一つです。
携帯電話から発生する電磁波がドーパミンやセロトニンの生成を妨げているという研究結果があります[The effect of pulsed electromagnetic radiation from mobile phone on the levels of monoamine neurotransmitters in four different areas of rat brain]。
5、自然にドーパミンを増加させる方法10個
- ドーパミンを増加させる食品を食べる
- ドーパミンを減らす食品を控える
- ドーパミンを増やすサプリメントを摂る
- 運動する
- 瞑想を行う
- 音楽を楽しむ
- 身体的・社会的繋がり
- 睡眠をしっかりと取る
- ダイエットを行う
- 冷たいシャワーを浴びる
方法1|ドーパミンを増加させる食品を食べる
ドーパミンはチロシンから作られるので、チロシンを多く含む食品を食べるのが効果的です。
- りんご
- アボカド
- バナナ
- 豆類
- チョコレート
- 緑黄色野菜
- ナッツ
- オリーブオイル
- オレガノ
- ピーナッツ
- ローズマリー
- 海藻
- ごまとかぼちゃの種
- 大豆製品
- ターメリック
- スイカ
- 小麦
- ヨーグルト
ヨーグルトなどの発酵食品はドーパミンの生産量を増やす働きがあります。50%以上のドーパミンは腸内で見つかっており、腸内で合成されています[THE SECOND BRAIN]。
またカフェインはドーパミンの放出を刺激するので、コーヒーを飲むのも有効です。紅茶やウーロン茶、緑茶などのお茶に含まれるテアニンもまたリラックス状態を引き起こすことでドーパミンを増やします。
方法2|ドーパミンを減らす食品を控える
食べるとドーパミンを減らしてしまうものを避ける、というのもドーパミンを増加させる上で大切です。
避けた方が良いのをご紹介します。
- 動物性脂肪
ドーパミン受容体の働きが低下する - 砂糖
一時的にドーパミンを増やすが最終的に欠乏の原因となる - 人工甘味料
ドーパミンとセロトニンの分泌量を減らす
食事制限をすることで、ドーパミン受容体の数が増えると言われています。つまり食べる量自体を減らすのもドーパミンを増やすには有効ということです[Food Restriction Increases Dopamine Receptors]。
方法3|ドーパミンを増やすサプリメントを摂る
ドーパミンを直接摂取できる「ドーパミンサプリ」は残念ながらありませんが、必要な栄養素をサプリを通して摂取することでドーパミンを間接的に増やすことができます。
ドーパミンを増やすために摂るべきサプリメントは以下の通りです。
- ビタミンB6
- ビタミンB9
- ビタミンB12
- ビタミンD
- マグネシウム
- 鉄分
- 魚油
毎日の食事でドーパミンを増やすために十分な栄養素を摂るのは難しいですが、サプリであれば粒を飲めば良いだけなので、簡単に摂取することができます。
方法4|運動する
運動は脳にめちゃくちゃ良いです。
- 新しい脳細胞を作り出す
- 脳の老化を防ぐ
- 脳へ栄養を流す
運動をすることでこれらのメリットがあります。
また、ドーパミンやセロトニンといったストレス軽減に役立つ物質の分泌を促してくれます。
精神科医のジョン・ラッティーは著書「Spark」の中で運動が脳に与える影響について研究結果を書いています。運動によって脳の受容体が成長し、ドーパミンの分泌レベルが上がることを発見しました。
「ランナーズハイ」ってありますよね。あれはドーパミンとエンドルフィンの働きによることが大きいです。
とはいえ「走る」よりは、「ウォーキング」「ヨガ」「気功」といった穏やかに体を動かす方がドーパミンの分泌がより促進されるようです。
方法5|瞑想を行う
Googleが取り入れていることで有名になった「瞑想」。効果に疑問を持つ人も多いと思いますが、この瞑想のメリットは1,000以上の研究で立証されています[Building the evidence for meditation]。
脳にとっても瞑想は様々なメリットがあります。
- ドーパミンを含む脳内物質のバランスを取る
- ニューロン間の繋がりを強くする
- 脳の炎症を抑える
- 脳の柔軟性を高める
- 脳への血流を良くする
- ストレスホルモンを減らす
ある研究によると、定期的に瞑想をすることでドーパミンを65%も増加させることがわかりました[Increased dopamine tone during meditation-induced change of consciousness]。
方法6|音楽を楽しむ
音楽を聴くとドーパミンが放出されます。
音楽を聴いたり、楽器を演奏したりすると脳がリラックスした状態になります。音楽を聴いて不快な気持ちになる人はいないですよね。
音楽を楽しむことは脳にとってプラスの影響があります[Intensely pleasurable responses to music correlate with activity in brain regions implicated in reward and emotion]。
方法7|身体的・社会的繋がり
例えばハグやマッサージなど人に触れることでドーパミンが増加します。
- マッサージ
ストレスホルモンを減少させ、ドーパミンを増やす - ハグ
ドーパミンやセロトニンを分泌させる - 犬を撫でる
人間と犬の両方でドーパミンや幸福を感じる脳内物質が増加 - くすぐる
人間ではまだ証明されていないが動物ではドーパミンが増加
このような物理的な繋がりだけでなく、SNSを通じた社会的なコミュニケーションによってもドーパミンが増加することが証明されています[The Rewarding Nature of Social Interactions]。
方法8|睡眠をしっかりと取る
睡眠を十分に取ることは脳にとって非常に大事なことです。
ドーパミンは睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンの生成をコントロールするため、ドーパミンと睡眠は切っても切れない関係にあります。
たった1日の睡眠不足であっても、ドーパミンの受容体が減る可能性があります[Evidence That Sleep Deprivation Downregulates Dopamine D2R in Ventral Striatum in the Human Brain]。
方法9|ダイエットを行う
意外なことに肥満とドーパミンは強く関係しています。太っている人は普通体型の人と比較してドーパミンの受容体が少ない傾向にあります[Scientists Find Link Between Dopamine and Obesity]。
ドーパミンは人間の快楽を司るものであり、太っている人は食べることから得られる喜びが少なくなり、さらに食べないと満足しないという悪循環に陥ります。
健康に生活を送るためにも、ダイエットをして標準体重に戻すことが大切です。
方法10|冷たいシャワーを浴びる
ある研究によると14℃の冷水でシャワーを浴びるとドーパミンが増加したことがわかりました[Human physiological responses to immersion into water of different temperatures]。
水のシャワーを浴びるのが好きな人は、コーヒーを飲むより1日の気分と生産性が上がると主張しています。
6、ドーパミンを増やす方法まとめ
ドーパミンは快楽を司る「モチベーション物質」です。十分にドーパミンが分泌されていると、やる気がみなぎり、集中した状態になります。
ドーパミンを健康的に増やす方法として以下の10個を紹介しました。
- ドーパミンを増加させる食品を食べる
- ドーパミンを減らす食品を控える
- ドーパミンを増やすサプリメントを摂る
- 運動する
- 瞑想を行う
- 音楽を楽しむ
- 身体的・社会的繋がり
- 睡眠をしっかりと取る
- ダイエットを行う
- 冷たいシャワーを浴びる
ドーパミンを増やすことで、何をやるにしてもモチベーションが自然と高まります。
モチベーションが上がらないとお悩みの方はぜひこの記事で紹介した方法を日常生活に取り入れてみてくださいね!