「IQを上げる方法」と言った時に、ネットや書籍でその方法を調べようとするわけですが、出てくるのは「いかに子供のIQを上げるか?」つまり知育であることが多いです。
- ピアノやギターなどの音楽を始める
- 魚を多く食べる
- 外国語を学習する
これらは子供のIQを上げることが証明されています。
一方で、大人になってしまうとこれらの方法ではIQを上げることができません。そもそも大人になってからIQを上げることができるのか疑問に思う人も多いでしょう。
でも安心してください。人は生まれた時に先天的に知能水準が決まっていると考えられたこともありましたが、今は後天的にIQを上げることができることがわかっています。
この記事では、大人がIQを上げる方法について説明していきます。
Contents
1、IQって何?どうやって測るの?
まずは「IQ、IQ」って言いますがIQのは何なのでしょうか?
IQは「知能指数( Intelligence Quotient)」の略語で、Weblio辞書でその意味を調べてみると、以下のように定義されています。
知能検査の結果得られる知能の尺度の一。知能検査で測定した精神年齢を暦年齢で割って100を掛けた数で表す。平均値を100とし、90~110は普通、それ以上は知的発達の進んでいること、それ以下は遅れていることを示す。
うーん、ちょっとわかりにくいですかね。めちゃくちゃ平たく言えば、
偏差値
IQって結局のところみんな大好き偏差値のことなんです。ただそのテスト形式が数学とか国語ではなくて、パターン認知能力という科目になっただけ。
なので、IQを後天的に上げられるんですか?という質問に対しては「Yes、だって勉強したら偏差値は上がるでしょ?」っていう回答になるわけです。
IQを測るテストとは?
さてこのIQ、どうやって測るかというとテストで測っていくことになるわけです。何となくわかると思いますが、「知能」なんて曖昧な概念で広すぎます。漢字をいくつ知っているか?を測る漢字検定とは違って、知能を測る絶対的な指標なんてありません。
- 問題解決能力
- コンセプト理解力
- パターン認識力
こういった能力こそ「知力」「地頭の良さ」と半ば強引に定義づけした上で、このような能力を測ることができると考えられる問題設計がIQテストでなされています。
そして同じテストを受けた人と比較して自分がどこに位置するのかが結果として出てきます。
- 平均的な知能の場合は100
- 7割は85から115の範囲内で落ち着く
- 9.5割は70から130の範囲内で落ち着く
- 一般的に70未満は知能障害、130超は天才と判断される
IQテストの意味とIQを上げる意義
知能という曖昧な概念を強引に定義づけして、それをテストで測って数値化しようというものですから、IQテストそのものに対する否定的な意見もあります。当然と言えば当然です。
「知能なんか一つの数値で測れるものじゃないんじゃー!」ってことですね。
最近の研究で注目を集めている理論て、ハーバード大学のハワード・ガードナー教授が提唱している「知能MI(マルチプル・インテリジェンス)理論」ってやつがあります。この理論によると人間は「8つの能力」を働かせて生活しており、どれが秀でているかは個人によって違うとされています。
8つの知能 | 説明 |
言語能力 | 話し言葉・書き言葉への理解力や感受性が高い |
論理的数学的能力 | 論理的思考。規則性・予測が得意 |
空間能力 | 視覚的・空間的認識に優れ絵画が得意 |
身体・運動能力 | 運動能力が高い。身体を自由にコントロール可能 |
音感能力 | リズム感・音感に優れる。音楽への感受性が高い |
人間関係形成能力 | 人との関わり合いが好き。グループワークが得意 |
自己観察・管理能力 | 自立心・決断力がある。独自のやり方を見出す |
自然との共生能力 | 環境・自然・動物に関心が高い。アウトドア好き |
とは言ってもこれらの知能が測れるかというと測れないわけで、そこにIQテストの存在意義があります。完璧に知能を測れるわけではないですが、IQと頭の良さに相関関係があることは間違いありません。
- 処理能力や記憶力が高くなる
- 仕事で論理的に解決策を導き出せるようになる
- 就職や転職時のSPIで有利になる
- MENSA会員を目指せる
2、大人がIQを上げる方法10個。できることを取り入れて知能指数を上げよう
では、大人がIQを上げるために有効な方法10個はこちら。
- 運動をする
- 脳トレ:デュアルNバック課題(Dual-N-Back)に取り組む
- チェスをやる
- 新しいことを学び続ける
- 問題解決が必要な仕事をする
- 瞑想をする
- ニューロフィードバックを行う
- メンサの練習問題を解く
- 脳に良い食べ物を食べる
- 魚の油を摂る
IQの上げ方1|運動をする
いくつかの研究で明らかになっているのですが、体力とIQには相関関係があります。100万人以上の男性を調査したところ、体力が高いほどIQも高いという結果が出ています(参考:Young adults who exercise get higher IQ Scores)。
運動を行うことで、脳へ酸素やブドウ糖その他栄養素が流れ込みます。そうすると脳が柔軟になり、脳の容量が増えたり知能が増えるというわけです。
1日30分の運動でも脳力を高めることができるので、ぜひ運動をしていない人は運動を取り入れてみましょう。
IQの上げ方2|脳トレ:デュアルNバック課題(Dual-N-Back)に取り組む
二重Nバック課題(Dual-N-Back)と呼ばれる脳トレを知っているでしょうか?この脳トレを行うことで記憶の容量を増やし、IQを一気に増加させることにつながります。
1時間のトレーニングでIQを2.75ポイント増やした人もいるくらいです(参考:How To Add 2.75 IQ Points Per Hour of Training)
さて、二重Nバック課題って何なのかも少しだけ説明しときますね。簡単に言えば同時並行で記号の処理を行うものです。NバックのNとは記憶する数のことを言います。
- 7回の暗算をして7個の答えを瞬時に覚える
- その7つの答えを順次アウトプットする
二重7バック課題であればこの2つを同時に行なっていきます。やってみるとわかるんですが、まぁ難しいですよ笑
脳トレの権威である川島教授もこの二重Nバック課題について話していますので一つ動画を紹介。24分30秒くらいからNバック課題の説明がされています。
- アスリートが二重Nバックをやってオリンピック候補になった
- 認知症の老人が人格を取り戻した
と雑誌の後ろに売ってるパワーストーンかと思うほどの効果が紹介されています。二重Nバックに興味があるなら、以下のアプリを使ってやるのが良いと思います。
参考 Dual N-Back: Brain TrainingApp StoreIQの上げ方3|チェスをやる
もし先ほど紹介した二重Nバック課題が「うーんイマイチ」って感じな人はチェスをやるのも一つの手です。チェスやってる人って頭良いイメージありますよね。
実はチェスはIQを上げることができる知的ゲームなんです。
- 集中力を高める
- 問題解決能力を高める
- 左脳と右脳の両方を刺激する
ということで、ワーキングメモリーを鍛えIQ向上に役立ちます。
IQの上げ方4|新しいことを学び続ける
この記事をお読みいただいているあなたの年齢にもよるのですが、一般的な傾向として学歴が高くなればなるほどIQは高くなります。
学問ってそういうものであって欲しいのですが、常に新しいことを学んだり、解くのが難しい問題に挑戦することでIQは上がっていきます。1学年上がるごとに3.5ポイントIQが上がるという研究結果もあります。
もしあなたが社会人や主婦だとしても全く問題はありませんので安心してください。常に新しいものに触れたり、新しいことを学ぶことでIQは上がっていきます。特に音楽や芸術に触れると、脳が柔らかくなるのでおすすめです。
IQの上げ方5|問題解決が必要な仕事をする
- 複雑な人間関係
- 難しいシステム
- 困難な問題解決
これらを含む仕事をすることで精神的に鍛えられます。
250人の中堅会社員を対象にして6年間追跡調査を行った結果、このような精神的に過酷な職業に就いている人の方がIQテストの点数が良くなる傾向が見られました。
辛い仕事も実は地頭を良くするのに役立っていると言えるのかもしれませんね。仕事してる時は泣きそうになりますけど…。
IQの上げ方6|瞑想を行う
Googleが導入していることで有名な瞑想もIQを上げることができます。
- 学習能力
- 記憶力
- 問題解決能力
瞑想によりこれらの能力が上がることが期待できます。特に情報処理を効率的に行えるようになるため、論理的思考をする際の邪魔がなくなりIQも上がるというわけです。
ある研究によると、脳波トレーニングを使用して瞑想した人は、IQが23%増加したということです。IQを上げる方法として近年注目を浴びているのは間違いなくこの瞑想ですね。
IQの上げ方7|ニューロフィードバックを行う
ニューロフィードバック(英:Neurofeedback)とは、脳波計とコンピューターと電極を用いるなどして脳波の周波数(要するに脳の活動)の調整を行うバイオフィードバックの一種。スポーツや音楽の能力向上を狙って用いられているほか、自費診療となるが精神医療にも用いられている。
ニューロフィードバックは脳波の調整を行う治療の一種と考えてOKです。
注意欠陥障害(ADD)を持つ大人と子供が週2回ニューロフィードバックを受けた結果、IQが12ポイントもアップしたとの驚きの研究結果も報告されています。
そこまでする人はいないと思いますが、家で使える個人用のニューロフィードバック機械も販売されています。IQが上がる保証はもちろんありませんが、この機械を使えば簡単に瞑想状態と同じ脳波に調整することができます。
IQの上げ方8|メンサの練習問題を解く
IQテストに興味を持っている人の中にはメンサに入りたいと思っている人も多いのではないでしょうか。メンサはIQが高くないと入れない組織ですからね。
MENSA(メンサ)とは、1946年にイギリスで創設された、全人口の内上位2%のIQ(知能指数)の持ち主であれば、誰でも入れる国際グループです。
メンサ入会のための練習問題を解くことでIQは当然上がります。メンサが用意している30分のトレーニングは誰でもオンラインで受けることができますのでチェックしてみましょう(ただし英語なのでご注意を)。
参考 WorkoutMENSA InternationalIQの上げ方9|脳に良い食べ物(ブレインフード)を食べる
脳の潜在能力を引き出すために軽視しがち、でも重要なのが「食べ物」です。
- アボガド
- カカオ・チョコレート
- クルミ
- 大豆製品
- ココナッツミルク
- ナッツ類
これらのブレインフードを、できれば加工品ではなく未加工品で摂取するようにしましょう。
逆に気をつけたいのがジャンクフード。ジャンクフードを食べると子供のIQが下がることが報告されています。
一方、100万人の学生を対象とした大規模な研究では、人工調味料や香料を含んでいない食事を摂り続けるとIQが14ポイント向上することがわかりました。
脳に良い食べ物|記憶力、集中力、気力を爆発させる12個のブレインフード【根拠あり】IQの上げ方10|魚の油を摂取する
世の中には頭を良くすると謳っている非常に怪しいサプリメントが多く販売されていますが、大人のIQを上げる効果があると示されているのは魚油だけです。
スコットランドの研究者は年少期から高齢期の50年にわたり研究対象者を追跡しました。
一つのグループは魚の油を摂取し、もう一つのフループは摂取しませんでした。
11歳の時、両グループのIQは同じく100でした。
ところが64歳までに、魚の油を摂取したグループは6ポイントIQがアップしたのに対し、摂取しなかったグループは5ポイントIQが低下するという研究結果になりました。
3、IQを下げるNG行動5個。これをやると知能減退する
IQを上げる方法がある一方、IQを下げてしまうNGな行動もあります。NGな行動を取ってしまうとどんどん知能が減っていき、はっきり言ってバカになってしまうので気をつけましょう。
- 喫煙
- 睡眠不足
- 過度の飲酒
- マルチタスク
- 孤独
IQが下がる行動1|喫煙
喫煙する人は喫煙しない人と比較してIQが低い傾向にあります。ある研究によれば、喫煙することによりIQが7ポイントも下がったことが報告されています。
- 喫煙しない調査対象のIQは101
- 喫煙する調査対象のIQは94
- 1日に1パック以上吸う人のIQはさらに低く90
喫煙することのメリットはほとんどありませんから、禁煙できる人はした方が良いと思います。体の健康だけでなく、頭の良さにまで影響するので。
IQが下がる行動2|睡眠不足
睡眠不足もIQに影響するNGな行動です。
定期的に十分な睡眠を取らないと身体の健康と脳機能が損なわれます。睡眠不足はIQに深刻なダメージを与える恐れすらあるのです。
ラフバラー大学の睡眠研究センターによると、1日あたりの推奨睡眠時間である8時間を下回る1時間ごとに、IQが1ポイント低下する可能性があるということがわかっています。
1日2時間睡眠不足の状態が続くとIQがかなり下がる可能性があるので注意しましょう。
IQが下がる行動3|過度の飲酒
勘違いして欲しくないので最初に言っておきますが、適度の飲酒は健康と長生きには良いです。脳を適度にリラックスさせるので精神的安定につながります。
適切に飲酒をする高齢者は認知症のリスクを最大60%にまで減らすことができます。
ダメなのは過度の飲酒です。飲みすぎると脳にとって有害でIQを低下させる可能性があります。
IQが下がる行動4|マルチタスク
生産性を上げるために同時並行で色々な作業をしている人も多いと思いますが、これは逆でマルチタスクは生産性を下げるという証拠があります。
American Psychological Associationの調査によれば、やることを切り替えて行ったり来たりすることで40%も生産性が落ちる可能性があります。スイッチングコストが高いんですね。
- 注意力が続かなくなる
- 学習する能力が下がる
- 精神的に疲れる
マルチタスクにはこのようなデメリットがあります。脳は楽を求めるものなので、マルチタスクを課すと脳がストレスを感じ、仕事を減らそう減らそうとして一つ一つのタスクの生産性が減るというわけです。
この記事にも書いてありますが、マルチタスクは一時的に15ポイントもIQが減る可能性があります。
IQが下がる行動5|孤独
めちゃくちゃ知能が高い人は孤独を好み、一人の時間を楽しむ傾向にあります。
しかし一人でいる時間が長過ぎるとIQが下がります。
ミネソタ大学の研究で、孤独はIQテストを含む知能に対してとてもネガティブな影響を与えることがわかっています。
4、大人がIQを上げる方法まとめ
この記事では成長した大人がIQを上げることはできるのか?そしてIQを上げる方法、IQを下げるNG行動について説明してきました。
IQは絶対的なものではなく他者と比較した偏差値であり、後天的にでも上げることはできます
具体的な上げ方は以下の通りです。
- 運動をする
- 脳トレ:デュアルNバック課題(Dual-N-Back)に取り組む
- チェスをやる
- 新しいことを学び続ける
- 問題解決が必要な仕事をする
- 瞑想をする
- ニューロフィードバックを行う
- メンサの練習問題を解く
- 脳に良い食べ物を食べる
- 魚の油を摂る
一方でIQを下げてしまう行動もあります。
- 喫煙
- 睡眠不足
- 過度の飲酒
- マルチタスク
- 孤独
IQをあげたい、地頭を良くしたい、頭の回転を早くしたい…
このようなお悩みを持っているのであればぜひこの記事で紹介した方法を試してみて下さい!